農地の赤土等流出防止対策については、畑の勾配修正や排水路・沈砂地整備等の土木的対策と、畑の周囲にグリーンベルトを植える等の営農的対策があります。ここでは営農的対策について紹介します。
畑にすき込み肥料にする植物を緑肥といいます。
農作物を植えない時期の畑地(休耕地(きゅうこうち))にクロタラリアやヒマワリなどの緑肥を植えて、畑の裸地化(らちか)(表土がむき出しになっていること)を防ぎます。栽培した緑肥は畑にすき込んで、後に栽培する作物の肥料にします。
畑の周りにグリーンベルト(植生帯)を設置すると、赤土等の混ざった土がそこを通る時にろ過され、赤土等の流出を抑制することができます。
グリーンベルトは、ベチバーや月桃などの植物が利用されます。
刈ったキビの葉などを畑に敷くことを敷き草マルチといい、雨水が直接土に当たるのを防ぐことで赤土等の流出を防止することができます。
敷き草マルチは、雑草の侵入抑制や土壌水分の蒸発抑制等の働きもあります。
サトウキビ農地における栽培方法の一つです。
収穫後に、サトウキビの株を残してそのまま栽培することで畑の裸地化(らちか)の期間が短縮され、赤土の流出防止効果があります。
葉ガラ梱包は、畑地と水路の間に、サトウキビの葉を束ねたものを並べて敷き詰める対策で、赤土等の混ざった水の流出防止を図ります。
葉ガラ梱包は、ほぐして敷き草マルチとしても利用できます。
農道も裸地のままだと赤土等流出の原因になります。砂利を敷き雨が直接赤土等に当たらないようにすることで赤土等の流出を防ぎます。