赤土等は、雨が降ると大地から削られて川をとおり海へ流れます。
そして、海の中では、赤土等が広がって海底に積もっていきます。
それに加え、沖縄特有の気候や地形も、赤土等の流出に影響を与えています。
赤土等の流出のイメージ
※赤土等流出防止パンフレット 未来につなげよう美ら海の恵みより抜粋
本土のような温帯地域では、生物の死骸などの有機物が接着剤の役割となって、土壌粒子同士を結合させて、団粒構造(団子状になること)が形成されます。
しかし、亜熱帯地域の沖縄では微生物の活動が活発で有機物が早く分解されて、団粒構造が形成されにくく、土壌は雨でたやすくバラバラになります。
そのため、土の表面がむき出しになっているところでは、雨が降ると簡単に流れてしまうのです。
大地から削られた赤土等は川へ流れます。
川には自然浄化作用があり、川に流入した土を長い距離と時間をかけて流れることによって、大量の水で希釈拡散しながら、沈殿され、海への大量流出を防いでいます。
しかし、本島を含め沖縄の島々には、大きな川や長い川はなく、海までの距離が短くて急な傾斜の川が多いため自然浄化作用が働かずに、あっという間に赤土等が海まで流れ出てしまいます。
河川縦断形・源流山岳と流域面積
※赤土等流出防止パンフレット 未来につなげよう美ら海の恵みより抜粋
また、海へ流入した赤土等は海水表面に広がり海を濁らせます。
赤土等は土壌粒子が細かいため沈殿しにくく浮遊時間が長いので、海の濁りはしばらく続きます。引き潮の際にリーフ(サンゴ礁)の切れ間から少しずつ外洋に出ていきますが、多くはリーフ内に堆積します。堆積した赤土等は、潮の満ち引きや荒天時の波の力によって海底から再び舞い上がり、何度もリーフ内を濁らせてしまいます。そのため、陸から次々に赤土等が流入してくると、リーフ内にはいつまでも濁りが残ってしまうのです。
礁池(イノー)の断面図
※赤土等流出防止パンフレット 未来につなげよう美ら海の恵みより抜粋